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お釈迦さんと般若心経

水清ければ魚棲まず その三

あたしみたいな年寄りは、そのうち誰かに唱えてもらうほうが近いんだけれども、お若い方々なら、むかしの門前の小僧に劣らないためにもさ、せめて般若心経だけは暗唱できるようになったほうがいいと思いますよ。このお経一つ覚えときゃあ、どこへ行ったって一目置かれること間違いなしだあ。 こんなバカなスケベでロクデナシのあたしでさえ、お寺の御縁で懇意になった京都の老舗の法衣屋であつらえた作務衣でもって海外に出かけるってえと、もう飛行機のなかでもキャビンアテンダントさん方の愛想ってやつが、ちがうんだからなあ。
そういや初めてロサンゼルスへ行ったときゃあ、なんにも知らずにホテル代をケチったおかげで、ダウンタウンのど真ん中に泊まったんですけどね、8Fの部屋にチェックインしてから、2Fのレストランで夕食がてらに一杯やってると、空港からガイドしてくれてる現地在住の日本人に、「夜は決してホテルから出ちゃダメですよ」なんて真剣に念押しされましてねえ。なるほど、夜中には窓のそとから銃声が聞こえて、こわごわカーテンのすき間から下をながめると、どうやら路上に駐めてる車を盗もうとしてた若い衆が撃ってるのが見えたんだからなあ。(こりゃ、えらい旅になっちまったよ)と思いながら、ベッドに横になってさ、もう一心に般若心経を唱えました。
翌朝には、おなじガイドさんが迎えにきてくれたってんで作務衣に着替えて降りていくと、フロントの人たちがビックリしたような顔で、なんだかシャキッとした態度で見送ってくれてね、ガイドさんに夜中のことを話すと、「いまならダイジョーブでしょうから、ちょっとホテルの周囲を散歩してから出かけますか」ってことになった。しばらく歩いてると、前方に、映画で観たような不良っぽいカッコの若い衆が7人ほど立ち話してて、「たぶんマリファナかなんかの取引してるんでしょう、目を合わせずに知らん顔して通りすぎれば平気ですから」なんて言いながら、さりげなくかばうように並んでくれたもんだから、もう引き返すワケにもいかないよ。ビビりながら内心で般若心経を唱えつつ歩いていくと、とつぜん若い衆の一人が、「ブッダア」って叫びながらひざまずき、両手を合わせて深々とアタマをさげたとたん、ほかのヤツらも「ブッダア」「オオ、ブッダア」って言いながら、おなじようにしたもんだから、もう、小便どころか脱糞しそうでしたよう。でも、こっちは根っからお調子モンにできてるんだから、うやうやしく合掌・一礼して般若心経を唱えてみるってえと、若い衆も怒るどころか、ひざまずいたまま「オオ、ブッダア」「ブッダア」って何度もアタマをさげてさあ、唱え終わって歩きだしても、うしろから「ブッダア」「ブッダア」って声が聞こえてて、ガイドさんが吹き出しちまったんですから。
で、あとは観光スポット巡りと、夜にはストリップバーにも案内してもらって、「また明日ヨロシクね」ってホテルに帰ると、ホテルマンたちが出迎えてくれて、まるでVIP待遇でもって2Fのレストランに案内されるってえと、そこには数人の宿泊客が待っていて、ちょっとしたパーティーみたいに盛り上がってさ、部屋に帰るとベッドメイキングまでが、もう一目で分かるほどにビシッと決まってて、置かれたバスローブも昨日のとは違って、いかにも高級そうなやつに変わってたんですから、どうです、大したもんでしょう。

お釈迦様

この般若心経てえお経はね、かの三蔵法師が仏典を持ち帰るために古代の中国とインドを往復したさい、途中で出くわした妖怪どもを退散させるために唱えて無事に旅することができたってえくらい有り難いんだからなあ。一説には、膨大な経典のエッセンスだけをギュッと276文字に絞り込んだというんだから、いずれ坊さんになりたい人なら別だけど、これさえ覚えておけば、まず俗世で損することはない!あたしの経験からすりゃ、そう思うよ。いやあ、ホントの話さあ。


さて、そもそも仏教ってのはね、古代インドに実在したシャカ族の皇子でゴータマ・シッダールタてえお方が開祖でね、在世のころには弟子とともにインド各地を巡って布教なさったってえことには間違いない。その教えを受け継いだ弟子たちが細々と布教をつづけてさ、およそ100年後には、「このままでは、有り難い教えが後世にまで伝わらない。みんなで協力して、お釈迦様の教えを書き遺そうじゃあないか」「それは、いいアイディアだ」「私が伝え聞いたお釈迦様の教えは、かくかくしかじか」「お釈迦様は、これこれ、こういうこともなさったそうだよ」それぞれ伝承を語り、書き記したのが、お経のはじまりだそうだあ。
でもさあ、こんなに素晴らしいお釈迦様でも、皇子としての裕福な生活を捨てて修行の旅に出られたときにゃあ、ご家族はじめ一族の人々を嘆き悲しませたんだからなあ。あれはダメ!これはダメ!っていう厳しい戒律を、お坊さん方にゃあ守ってもらいてえもんだけどね、あたしみたいな煩悩まみれの俗人には、私利私欲であっても三度までなら許すってえ大らかさが嬉しいねえ。こうした大らかさってのは、ことに日本仏教において芳しいとも思う今日このごろ、日本人みんなでさ、信仰心=道徳=人の道てえやつを、もういっぺん思い出しませんか?!

お釈迦様・入寂お釈迦様・誕生


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